☑️ この記事は以下の本の書評です
■オススメの方
- 公務員試験を目指す全ての方
- 特に面接や官庁訪問が苦手な方(落ちてしまった方)
- 公務員試験に合格できなかった方
■まとめ
- 公務員試験0~100までのイロハがまとまってる
- 狙う公務員試験の選定方法から筆記試験の緊急措置まで、短時間で合格する(させる)ノウハウが特徴
- 特に筆記試験以外の面接や官庁訪問関係の攻略法が手厚い
- 地方公務員より国家公務員よりの内容で専門職、一般職(技術系)に適している内容
【伊藤塾直伝!】知識ゼロから公務員試験に1回で受かる勉強法
「過大広告のようなタイトルで、疑わしい」
正直、これが第一印象でした。
自分の感覚があてにならないなと実感しました。
ページをめくると一瞬で、その印象が変わります。
本物のノウハウでした。
ということで、本書は、公務員試験を目指す方に最初に手に取ってほしい入門書です。
公務員試験はどういう種類があるのか、どの試験種を受験するのかといった入門的な内容から、最後の関門である面接試験を突破する方法まで、公務員試験に合格するための全てのステップが解説されています。
公務員試験や司法試験などの法律科目のある試験資格の合格者を多数輩出している受験指導校「伊藤塾」と、20年を超える公務員試験指導のキャリアをもつメンター笠井佳樹(かさいよしき)氏が共同で執筆し、伊藤塾塾長が編集した力作になっている。
本書のコンセプトは
- 試験の情報あつめ
- 筆記試験対策の勉強
- 面接試験対策
この3要素をわかりやすく、的確に伝えることを目的としてます。
特に、筆記試験対策については、伊藤塾の各々の科目専任講師が長年の経験を活かし、各科目の攻略ポイントを述べているのが特徴で、ここが希少価値が高いポイント。
公務員試験のスタートはここから
第1章は「公のために働きたい」という漠然とした志望動機から、その千差万別の中身を掘り下げ、公務員の先輩方がどのように考え、どんなことで悩みながらこうウインになりたいと意識したのかを紹介するコンテンツから始まる、
この章で、公務員になるという決意の出発点を与えてくれる。
2つタイトルだけ紹介します。
「支えあう社会をつくりたい」
「目先の利益にとらわれずに仕事をしたい」
志望動機の全文とそれに対する著者の感想が書かれており、どれも励まされる内容です。
その中で「仕事のやりがいを見つけたい」という、いかにもありがちで抽象的だなと思うものがあったのですが、
その志望動機は、こうです。
(一部要約)
民間企業も利用者のためのサービスを提供し、その対価を得ることが基礎的なやりがいであり、どんな仕事もやりがいというのは与えられるものではなく、自らで見出すだすものと考えているならば、公務員である必要性はありません。
ましてや公務員にはノルマがないというのは幻想です。
どんな官庁、部署であっても数値目標は必ずあります。厳しい言い方かもしれませんが、「こんなこと言ってる奴は一生会社の金ずるだ!」と正直思ってしまいます。
しかしながら、
本書では、公務員を目指す理由が理想に燃えている必要はなく、公務員になりたいと考える入り口は、決して「かっこいい」ものである必要はありません。
勉強していく過程で、公務員で働くこのと意味、公務員としてどのようなことをやっていきたいと考えるのかをじっくり作り上げ、明らかにしていけば十分だと説いています。
ここを読んで私は気づかされました。
むしろ公のために働きたいというのは理想的であり、一種の幻想のようなものに近い。
初めの頃は、組織の決まりや前例を踏襲し、過去のやり方と今を理解していきます。
それに付随するように、「公のために自分はこういう姿勢で貢献したい」と思うようになります。
知らない人、しかも不特定多数に対し、漠然と「奉仕したい」が最優先の願望はあり得えないのです。
要するに、公務員になりたいと思ったキッカケは、単に安定的な給料で、地域に根を張って安心して生活したいという願望で十分ということです。
知識ゼロから公務員試験に1回で受かる勉強法とは?
公務員の業務内容は多種多様であり、試験の難易度格差も大きく、どの試験を受けるべきか、まったくあてのない状態からでも、自分に適した公務員試験を導いいてくれます。
- 志望動機からのターゲットの絞り込み
- 国家公務員か地方公務員か
- 仕事内容
- 居住地
- 自分の強み
- 難易度
- 試験の内容
公務員試験は併願が可能で、ほとんどの受験者は1年で3つ以上受験すると言われています。
出題範囲のダブりが多いものを選択することにより、平均合格率が向上しますが、出題範囲が異なる場合、一気に得点が難しくなります。
本書では、試験毎の出題範囲が表でまとめられており、併願に有利な試験区分を確認することができます。
受験生一人ひとりにあった受験戦略を解説
- 出身学部別、勉強の拠点(独学/指導校)
- 公務員試験に合格しなかった場合の戦略
試験科目毎の勉強方法のアドバイスは、担当専門講師が執筆していることもあり、得点パフォーマンスを高める工夫が書かれています。
このあたりが、この本の真骨頂だと思いますでの引用は差し控えさせていただきます。
直前期の受験戦略が完全に有益情報
2つのキーワード
「急がば回れ」
「逃げること」
この二つを合言葉に、試験日まで期日が限られている場合の受験戦略が解説されています。
個人的には本に書かないで、塾生だけにした方がいいんじゃないかと思うほど合理的な戦略です。
一番基礎的な内容を引用により紹介します。
「より基本にもどる」
試験日にちかくなればなるほど、受験生としては「予想」論点情報を知りたくなってきますが、より基本的な知識をもう一度確認することに徹するということが一番大切です。
合格に必要なのは、多くの受験生が正解できる問題を自分も正解できることです。
多くの受験生ができない問題ができなくても、合否に響くことはありません。
したがって、試験日までに残された時間が少ない直前の期間では、より基本的な知識の確認を行うということが、合格するための鉄則です
この他に5つ以上の緊急措置方法を公開しています。
面接試験と官庁訪問対策の、徹底的な戦略解説
面接で落ちる割合が比較的多い公務員試験の特徴を捉えており、かなり手厚くフォローさせています。
この意図としては、ほとんどの公務員試験では、筆記試験と面接試験とが1対1の比率であるため、最終合格判定に大きな比重を占めます。場合によっては、それ以上の試験があるため、本書では、面接試験対策を重視しているということです。
面接試験のノウハウは独学で学ぶのは限界がありますが、まずは本書でポイント掴むのがオススメです。
また、面接の概念から始まり面接カードの作成、志望動機や自己PRなどの基本的な質問事項に対するアプローチについて、公務員独特の価値観に適合する方法を解説しているのが、印象的です。
著者は塾の講師ではなく、現役公務員なのではないかと思ってしまうほど的確です。
この他にも、さらに詳細な面接対策や試験種別合格戦略、志望動機の糸口となる公務員として働く意味と魅力についての詳しく解説されています。
この本は、面接が苦手な方にオススメしたいです。
「【伊藤塾直伝!】知識ゼロから公務員試験に1回で受かる勉強法」
伊藤 真
公務員試験のほか、予備試験を含む司法試験など法律資格試験の受験指導を行なう伊藤塾を主宰。弁護士。1981年、東京大学在学中に司法試験に合格。1995年に、真の法律家の育成を目指し、「伊藤真の司法試験塾(現・伊藤塾)」を開設。「伊藤メソッド」と呼ばれる革新的な勉強法で、司法試験短期合格者の輩出数全国トップクラスの実績を不動のものとしている。現在は弁護士としても活動を行ない、「一人一票全国国民会議」事務局長として、「一人一票」実現のために奮闘し、日弁連憲法委員会副委員長として、地球市民のため、日本国憲法の理念を伝えるため日々行脚している
笠井 佳樹
筑波大学卒。20年を超える公務員試験受験指導のキャリアを持ち、霞ヶ関や都道府県に多くの教え子を送り出している。合格後を見据えたスキルとスピリッツの育成に情熱を燃やしており、ハイレベルな講義をわかりやすくするために独自に考案した「グラフィックレジュメ」は、受験生の好評を博している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
ISBN-10: 480614679X
ISBN-13: 978-4806146797