公務員1年目の教科書

[書評]テスト前の意味深なミニテストのような救済書-公務員1年目の教科書

  • 2019-06-08
  • 2019-06-08
  • 書評

☑️ この記事は、この本の書評です。

公務員1年目の教科書-堤 直規

 

テスト前の意味深なミニテストのような救済書

☑️ オススメの人

  • 若手公務員の方(中途含む)
  • 公務員の面接対策をしている方
  • 全ての教育者

☑️ 要点まとめ(フライング)

  • 努力のスタートダッシュは早ければ早い方がいい
  • 公務員に求めらる要素(素質)は能力ではなく信頼
  • ずっと続く人間関係を意識する

仕事のノウハウから公務員の姿勢を説いた本

 

より良い公務員を目指すためではなく、より早く楽に仕事ができる状態にするための教科書だと思い読み進めると良い。

 

実際に、公務員一年目の方に、読んで欲しいと思ったのはこのエピソード

 

創意工夫よりも「 型 」が大事

 

本を出版するにあたり、地方公務員の若手職員を対象に「1年目から知っておいたら良かったこと」をアンケート。

言われた通りだけでなく、自分で考えることが必要だという意見が多いかもしれないと思ったが、

しかし意外にも、「まず教わった通りにやること」この回答が多かった。

スポーツでも、最初は基本練習から始まり、正しいフォームを身につけたうえで、徐々に工夫をしていくように、まずは基本を覚える事が大切だという考え方だ

新人は、先輩職員は新人に対し「まずは教わった通りに正確にやってほしい」というのが本音であることを理解すると良いと説いている。

教えている側の先輩の気持ちを理解するのは、人間的成長を手助けしてくれる。

 

能力が高い人が評価されるという誤解

 

公務員に必要な素質をストレートに表現するエピソードが素晴らしい。

 

著者は新卒ではなく、経験者採用で29歳のときに市役所に入りました。

公務員になる前に働いていたIT業界は、移り変わりの早い世界でした。

もっとも重視されるのは、なんといって能力です。

しかし、公務員で、まず問われるのは、能力ではありません。

もちろん能力は大事ですが、一定の能力があれば、それ以上に大事なのは信頼です。

信頼があれば、多くの人の協力を得て、大きな仕事・困難な仕事も確実に進めていくことができます。

所詮、一人の才覚には限りがあり、公務員の場合、、いかに多くの幅広い関係者の協力を得られるかが、仕事の成否を分けるからです。

仕事をしていて、「君の頼みなら」ということで許力いただいたことが、町内でも、地域でも何回かありました。

(略)たとえ自分のことを嫌いな相手からでも、「あいつは言ったことはやる」とうい信頼を得ることは、さまざまな方を相手にする公務員には欠かせないことです。

この後に、公務員一年目の方へ向けて、”信頼を得るための方法を”短い文章で表現されています。

とても感動的で、私が一番気に入っているフレーズです。

ここは是非書籍を手にとって読んでいただきたいと思います。

 

この本に書いてあることは、ほぼ全ての職場に当てはまる。

そして、どんな人にも共感できる具体的エピソードが盛り込まれているのが魅力だ。

 

スケジュール管理、タスク管理、報告、連絡、相談

基礎的がスキルが丁寧にまとめられている。

 

一般的な本は、当たり前のことを当たり前のように、重要性をひたすら解説しているが、この本は著者の体験談で重要性を説き、

IT企業で培った視点で有効なスキルを分かりやすく書かれている。

 

しつこいが、ビジネスマンに必要最低限のスキルが丁寧にまとめられてる。

 

私は、本当に1年目の時に読みたかった。

中途から公務員の世界に入る場合、そのおおくは民間企業の経験が重視されないのが実情(軽視されがち)

実際に、公務員の独特の文化により、民間のスキルや考え方が通用しないことが多い。

 

直接は書かれていないが、優秀な著者も公務員になってから苦労してことがうかがえる。

やはり、この本の特徴は、著者が公務員の日常業務の中で、実際に感じたことを具体的なエピソードを交え、現場のリアルな声としてノウハウやスキルを解説している。

 

研修に役立つと謳っているが、この本そのものが研修の教材に適している。

 

現場の職員に一番響くのは同じ現場目線の声だ。

 

職場の書棚にこの本をぜひおいてほしい。

 

あなたの能力を用いて、この本を新人研修で配布することを目標にして欲しい。

 

公務員の人間関係は、狭い世界で退職までずっと続くものです。

地域の方々もそこに住んで生活し、事業を続けてきた方が大半です。

しかも町は長い長い歴史を持っています。

ずっと続く人間関係の中で、非常に長い時間をかけて「信頼」を積み上げ、それを引き継いでいくのが公務員の使命だ。

 

「公務員1年目の教科書 」
著:堤 直規
東京都小金井市企画財政部行政経営担当課長。
1971年生まれ。2001年に小金井市役所に入所。
前職はIT関係。情報システム担当、国保税徴収担当、企画政策係長、納税課長を経て、2016年から現職。
その他著書に、『公務員の「異動」の作法』(学陽書房 2017年)、『公務員の「出世」の作法』(学陽書房 2018年)。
【連載】2018年度は「30代に贈る!”錆びない”自分磨き」(月刊『ガバナンス』)、「異動の教科書!」(季刊『ジチタイワークス』)
趣味:食べ歩きとキャンピングカーでのくるま旅