☑️ この記事は、この本の書評です。
公務員のお金に対する情弱さに、気づかされる鋭い矢文のようだ。
☑️ オススメの方
- お金に不安を感じていない公務員
- 預貯金、保険、各種金融商品に興味がある公務員
- 公務員に金融商品や家を販売したい方
- 公務員を目指している方
人生100年時代の到来
☑️ 避けられない不安
はじめに
この日本に100歳以上の方は何人くらいいると思いますか。
これは、毎年敬老の日に発表されているので、多くの方がご存知かもしれません。
答えは・・・5万人以上。
私は双子姉妹の「きんさん、ぎんさん」を思い出すのですが、あび「きんさん、ぎんさん」のように上寿になられた方達で、甲子園球場の観客席を埋め尽くすことができます。すごいことですよね。
ではもうひとつ質問です。
90歳以上の方は日本に何人くらいいると思いますか?
10万人?20万人?
いえいえ約145万人いるのです。
145万人と言えば、滋賀県、愛媛県、長崎県の人口と同じくらいです。
たとえば、滋賀県で琵琶湖を一周していたら、出会う人全員が90歳以上という感じになります。
この本が発行されたのは2013年です。
平均寿命は昭和初期の50歳から、この本が発行された2013年には、飛躍的に伸び「人生80年時代」と言われていた。
2019年現在では、約5年の経過で、平均寿命がさらに伸び「人生100年時代」と呼ばれています。
なんだか、得体の知れない不安感を覚えるのは私だけでしょうか。
長生きができるということは、それだけ治安がよく、高度な医療を受けられるシステムが確保されている思いますが
その一方で、
「死ぬまで健康でいられるか」
「寝たきりになって誰かに迷惑をかけていないか」
「60歳で仕事をやめたあとの40年を不自由なく生活できるか」
という不安をみなさんもお持ちではないでしょうか。
公務員の給料の安定性が思考を停止させる
ありがたいことに、公務員は、安定した給料をもらえます。
毎年多少の修正がなされますが、民間企業の給与水準に合わせた給与に調整しているため、常に中級階層の給与を手にすることができます。
また、一般的にはリストラはないと考えれれているためお金の心配がないように思えます。
著者はこの特性と数多くの相談経験から公務員を一言で表現しています。
実際には、家計簿を付けていない。保険を過剰に掛けている。住宅ローンも繰上げ返済しない。なかにもお金を騙し取られた人もいるそうです。
公務員は今まで、安定した給料と雇用の安定性から、お金に関心を持っていなかった。正確にいうと関心を持つ必要がなかった。
公務員=安定。
公務員=リストラされない。
私もこう思い込んでいた一人です。
そして、本書では、どれだけお金に関する知識が備えているか簡単なテストが用意されています。
公務員=安定した職業 という時代は崩壊
☑️ 安定時代の崩壊
- 年々減少する年収
- 復興財源名目での給与の削減
- 退職金の減額
- 分限免職
よく「公務員はリストラがない」と言われていますが、国家公務員法第78条では、「組織の改廃に伴う分限免職」が認められています。
実際、2010年末に社会保険庁の業務が日本年金機構に引き継がれた際には、約500人の職員「分限免職」、つまり整理解雇されているのです。
こうした、現実がありながらも、「収入が減っている」、「雇用に対する不安が高まっている」ということを、なかなか実感できないのも、これまた現実ではないでしょうか。
これは、公務員の特有の心理現象だと私は思いますが、著者はこの点についても的確に指摘されています。
正直、保険の見直しをしたことは何度かありますが、いずれも「損をしたくない」というレベルの低い心構えでした。
先に本を読んでいれば、損得ではなく、「狙われている自分の財産を守りたい」という強い意志で良い見直しができたと思います。
現在のライフプラン表と30年前との比較を公開されています。
75歳時の預貯金額の差は、
この本を読んで、公務員がいかにお金にうといか、また、それを知る人々が公務員を狙っているという事実を思い知らされました。
私は、公務員の仲間を守るためにこの本を紹介したい。
高度な編集により、寝る前の1時間で読破できるくらい、読みやすい本です。
危機感と同時に強い武器を与えてくる良書。
☑️ 要約
- 公務員はお金にうとい(ほとんどの公務員は騙されている)
- 公務員は分限免職により解雇される可能性がある
- 公務員は銀行のいいカモ
- 公務員の退職金は減っていく
- 退職金はハイエナに狙われている
本当に、公務員を守りたいという愛情が節々で感じられます。
一流のファイナンシャルプランナーが、なぜ、わざわざ公務員に特化しているかというと
たまたま著者の身内のほとんどが公務員だったこともあり、FPになったあと公務員の相談をうけると、多額のお金を騙し取られているたり、大きなお金をソンしていたりするケースが多かったそうです。
そういった経験を経て、複雑なシステムに檻のように囲まれ、資産を守れていると錯覚する公務員を愛情と知識で守ってくださる。
そう感じさせられます。
私は、セミナーがあったら行くことにします。
CFP®︎。意休ファイナンシャルプランニング技能士
1969年生まれ。1993年関西大学商学部卒業後、大手金融機関を経て、2002年株式会社FPコンサルティング代表取締役就任。
身内が公務員であり、公務員こをファイナンシャルプランナーが必要と考え、日本で初めて公務員に特化したファイナンシャルプランナーとして、全国の官公庁、自衛隊、自治体、教員職員団体、警察などに、セミナー講師やFP相談などできめ細かいサービスを提供している。
自衛隊や警察官、地方自治体職員では、給与体系や福利厚生などが大きく異なることを、過去の相談から身をもって体感している。
WEBサイト:http://www.56fp.com