公務員として働き続けるリスク

エゾシカ
「県庁おもてなし課」を読んで、たくさんの共感点があったので、その一部を簡単に紹介します

 

こんにちは。

 

元公務員のエゾシカです。

 

この記事では、有村浩さんの『県庁おもてなし課』から共感できる部分がありましたので、引用から、私の公務員観を書かせていただきます。

 

果てしない事なかれ主義

 

この文章だけで、消極的な公務員の心理を的確に表しています。

 

「・・・効率化しようって動きになならないんだよね。今までのやり方を変えようとすると、その方が時間がかかったりするから。とりあえず今回は、って流しちゃう。・・・(略)・・・何か提案しても実現するのは数年後とか、平気であるしね。硬直してるよな。イラッとすることは多々あります」

会議の中でも、こういう結論に至るケースがよくあります。本当にほとんどの人が事なかれ主義なんです。『トラブル嫌い。行動が無駄になるのは業務上のミスだ』みたいな。

当たり前のように行われる有用とされる判断「先送り」これは、本当に必要な場面もあるんですが、これなことばっかいりしていると、公務員は無能でなんにもできないと言われてしまう原因なんでしょう。そして、”良い理由をつけて”「先送り」をするのが優秀だと誤認し、次第に周りの職員の思考すら硬直させていきます。

 

2~3年で異動すると思うと、「わざわざ自分がやらなくても良いや」なんて思ってしまうんでしょうか。

最後まで見届けられないからこそ、提案して、即行動する。これが一番大切な行動指針だと思います。

公務員は、リスク回避が上手ければうまいほど、優秀扱いされる傾向にあるため、やらない理由を合理的に表現できる人間が重宝されます。

信じがたいですが、本当にこれが内部的には優秀な職員の条件です。

もちろん、住民目線では、不都合で税金を蝕む公務員にしか見えません。

 

よく「大きいプロジェクトは、年度内に予算を消化できないため、スタートできない」と聞きます。

 

単なる言い訳です。

予算の制約はあるのは事実で、不手際があれば、余計な仕事が増えるのは確かです。

でも、1年で完結されるのは、公務員の少ない人数と限られた時間の中では困難であることは確かです。

なかなか割り切れない。

 

有効な解決策は、

 

中途半端になっても良いから、とにかく始めちゃえば良いんですよ。

 

うまくいけば次年度の予算も要求すれば良いし、ダメだったら、途中で中止してこれ以上予算を使わないように制限ロスカットすれば良い。

なんでもかんでも1年で済まそうとするから、何もできなくなってしまうんですよね。

 

失敗は失敗、公務員の恥。みたいな考えをなくなるくらい、失敗してほしい。

失敗することにより、斬新で効果的な政策が生まれると思うし、そのための失敗は失敗ではない。

管理職がメディアへの説明をビビらなければ、大丈夫。

 

また、予算の配算日から起算して案件ごとに消費期間を定めれば、もっと自由度が工場する。

もしくは予算を年度で考えるのはなく、プロジェクト毎に配ってるルール作りをすれば、動きやすくなる。

日本政府の単年予算制度なるものが変われば、公共事業の繁忙期も平準化されて、結果的に費用が下がるとともに、日本全体の残業時間の短縮に繋がる。

もちろん、事業の大小によって取り扱いが異なるが、消費期限を案件毎にするレベルをグッと引き下げても良いのではないかと思う。

 

 

目的意識の欠落、平等の誤った解釈

 

 

「やりがいがない」

 

 

表立っては言わないが、内心ほとんどの人が思っている。

 

正確には「やりがいを見いだせていない」本当はみんな欲しいと思っている。

 

なにか新しい取り組みをしようとしても

 

  • 「関係部署を説得できない」
  • 「課の超過勤務が増えてしまう」
  • 「過去の取り組みが誤っていることになる」

 

 

新しいものができた瞬間に、今のものは古いものになる。

 

 

それだけのことなのに、ナーバスになってる。

 

「〇〇の課題があって、それを解決するために、この取り組みが必要。だからみんなでやる必要がある」

これが本来の行政の姿勢。こういった目的や必要性をフローの節々で確認する行為が欠如している。

 

これも、事なかれ主義の多数派同調バイアスが働いている。

「快楽を抑制し苦痛に立ち向かう」この姿勢が求められるが、自身の内面から作用するのは難しいのが現状だ。

 

  • 適切な人事評価制度
  • 適切な給与制度

 

このうちのどちらかだけでも改革のキッカケになる。

 

残念ながら、最近やっと導入された人事評価制度は、

自身による目標設定と自己評価が基本になっており、やったことを厚かましくと書く気持ちにわなれないし、

潜在的な頑張りを評価するシステムにはなっていない。

*制度上は可能だが、上司がわざわざ部下の評価書に書き加えることなどしない。

 

人事評価もしくは所属長の評価によって、ボーナスの金額に反映される制度がある。

 

ボーナスの都度、職員へ評価を伝えることができる。

 

「〇〇の案件をミスなく、関係部署と円滑に調整し達成できたことがとても高評価だったよ」

 

なんてふうに、褒められた上で、さらにボーナスが少し増えるのは、本当に嬉しい。

 

だれだって、怒られたら嫌な気持ちになるし、褒められたら嬉しくなる

 

ところが、無用な嫉妬を生まないために、伝えていないケースが多い。

 

さらに、問題点があって、このボーナスへ反映される評価システムが、昔の小学校のような相対評価であることだ。

高評価は1度に2名までというように上限が決えられている(所属長の考えによってはさらに複雑)

また、連続で高評価は付けないという誤った平準化をしているケースが見受けられた。

 

平等というのは、価値が平等に配分される状態ではなく、公正な取引(流通過程や手段)によって配分される状態が平等な状態である。

定年近い管理職には、これらを、感覚的に判断できる人間的成熟を伴った人材を当てて欲しい。

こういうことは、学校教育でも、社内教育でも習うことはないのだけれども。


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